海の景色が変わる頃には…
「おせーよ!!」
晃がけんちゃんの肩を軽く殴るとけんちゃんは「ごめんごめん!」と、笑いながら謝った。
私服のけんちゃんは制服より大人っぽくてなんだかいい匂いがした。
打ち上げの場所に着くまでの間私と由香が並んで前を歩き晃とけんちゃんは私達のすぐ後ろを歩いていた。
「ねぇ、今日健太いつもよりかっこよくない?」
由香が私に小声で話しかけた。
「そう?」
私が由香を見て言うと
「凛!がんばれよ!!」
と由香がガッツポーズをした。
「は!?何を?」
「えへへ~。ひみつ!」
そう言うと由香はニヤっと笑って私の頭をポンポンとし子供扱いをした。
「でもさ、凛が前みたいによく笑うようになって安心したよ」
「え?」
「凌くんと別れてから凛あんまり笑わなくなってたからさ。」
由香はそう言って優しく笑った。
打ち上げ会場に着くと時間5分前だというのにみんな集まっていた。
私の左側に由香が座り右側にけんちゃんが。けんちゃんの隣には晃が座った。
「えー…ではみんな揃ったところで、2年2組の優勝を祝して乾杯ー!」
凌の掛け声で打ち上げが始まった。由香は、由香の左側に座っているるいちゃんと話をしている。
無言で自分の目の前に何枚か積んである取り皿に手を伸ばすとけんちゃんの手に触れた。
「あ…ごめん。」
「お前気が利かねーから俺がみんなに配るとこだった!」
そう言ってけんちゃんが笑った。
不覚にもドキっとしてしまったけどけんちゃんはいつも通り意地悪だ。
「ねぇねぇ、けんちゃん何の香水つけてんの?」
「えっと…スカルプチャー!すっげーいい匂いじゃね?これ。」
「ううん、くさい!」
「は!?ちょ!!…はぁ!?まじで!?」
「うっそー!!私も好きだよ!スカルプチャー」
「はぁ!?お前まじふざけんなよ!」
そう言ってけんちゃんは私の頭を両手でわしゃわしゃとぐちゃぐちゃにした。
「もー!やめてよー!!」
抵抗しながら言うとけんちゃんはピタっとやめて、じっとこっちを見た。
「お前さぁ、今日雰囲気違うくね?」
「え…?そ…そう?」
乱れた髪を手で直しながらけんちゃんを見るとけんちゃんは意地悪そうにニヤっと笑って
「あぁ!分かった!髪がボサボサなだけか!!」
と言った。
「はぁー!?けんちゃんがしたんじゃん!」
「そうだっけー?」
そんな言い合いをしてると目の前に座ってるクラスのムードメーカーの優真くんが間に入って来た。
「なに?お前ら付き合ってんの?」
「え!?付き合ってないよ!!」
私が否定すると優真くんは
「そうなん?
仲良いから付き合ってんのかと思った!」
と私たちをちゃかした。
「お前こそ3組の子とどうなんだよ!」
晃の声がけんちゃんの隣から聞こえてきて「あっちで詳しく聞かせろよ!」と優真くんを連れて行った。
―付き合ってる…?
頭の中で何回も優真くんの声がリピートされた。全くそんなつもりはなかったのに周りからそんな目で見られてた事が急に恥ずかしくなって、その後はけんちゃんと何も話せないまま打ち上げは終わった。
お店を出ると当然外はすっかり暗くなっていた。みんなそれぞれ手を振って帰って行く中由香が私に話しかけた。
「凛、誰かお迎え来るの?」
「いや、来ないけど…由香は?」
「私光樹が迎えに来てくれるの。もう近くまで来てるって!」
「そうなんだー…」
私がそう言うと由香はけんちゃんの所に走って行ってけんちゃんを引っ張って来た。
「凛、1人で帰るんだって!暗いし危ないから健太送ってあげてくれない?」
「え!?由香!!」
私が断ろうとするのを聞かずに由香は「じゃーね!」と帰って行った。
「帰ろっか。」
けんちゃんの声に私は頷いてけんちゃんの少し後ろを歩いた。
・・・。
「お前さぁ…」
「は、はいっ!!」
突然けんちゃんが振り向いて話しかけたから変な返事になった。
「『はい』って!お前誰だよ!」
そう言ってけんちゃんは笑った。
「お前さぁ…
今日睫毛くるってしてるのなー。」
「へ…変かな?」
「変!!」
「えー!?」
「うっそー!俺はいいと思うけど…さっきの仕返し!!」
そう言ってけんちゃんはニヤっと笑った。
「ひっどーい!!」
「最初にしたのお前だし!」
「そうだっけー!?」
気付けばいつも通りに話せてて家に着くまでの時間がいつもよりすごく短く感じた。
家に着くとけんちゃんは「じゃあな!」と言って走って帰って行った。
晃がけんちゃんの肩を軽く殴るとけんちゃんは「ごめんごめん!」と、笑いながら謝った。
私服のけんちゃんは制服より大人っぽくてなんだかいい匂いがした。
打ち上げの場所に着くまでの間私と由香が並んで前を歩き晃とけんちゃんは私達のすぐ後ろを歩いていた。
「ねぇ、今日健太いつもよりかっこよくない?」
由香が私に小声で話しかけた。
「そう?」
私が由香を見て言うと
「凛!がんばれよ!!」
と由香がガッツポーズをした。
「は!?何を?」
「えへへ~。ひみつ!」
そう言うと由香はニヤっと笑って私の頭をポンポンとし子供扱いをした。
「でもさ、凛が前みたいによく笑うようになって安心したよ」
「え?」
「凌くんと別れてから凛あんまり笑わなくなってたからさ。」
由香はそう言って優しく笑った。
打ち上げ会場に着くと時間5分前だというのにみんな集まっていた。
私の左側に由香が座り右側にけんちゃんが。けんちゃんの隣には晃が座った。
「えー…ではみんな揃ったところで、2年2組の優勝を祝して乾杯ー!」
凌の掛け声で打ち上げが始まった。由香は、由香の左側に座っているるいちゃんと話をしている。
無言で自分の目の前に何枚か積んである取り皿に手を伸ばすとけんちゃんの手に触れた。
「あ…ごめん。」
「お前気が利かねーから俺がみんなに配るとこだった!」
そう言ってけんちゃんが笑った。
不覚にもドキっとしてしまったけどけんちゃんはいつも通り意地悪だ。
「ねぇねぇ、けんちゃん何の香水つけてんの?」
「えっと…スカルプチャー!すっげーいい匂いじゃね?これ。」
「ううん、くさい!」
「は!?ちょ!!…はぁ!?まじで!?」
「うっそー!!私も好きだよ!スカルプチャー」
「はぁ!?お前まじふざけんなよ!」
そう言ってけんちゃんは私の頭を両手でわしゃわしゃとぐちゃぐちゃにした。
「もー!やめてよー!!」
抵抗しながら言うとけんちゃんはピタっとやめて、じっとこっちを見た。
「お前さぁ、今日雰囲気違うくね?」
「え…?そ…そう?」
乱れた髪を手で直しながらけんちゃんを見るとけんちゃんは意地悪そうにニヤっと笑って
「あぁ!分かった!髪がボサボサなだけか!!」
と言った。
「はぁー!?けんちゃんがしたんじゃん!」
「そうだっけー?」
そんな言い合いをしてると目の前に座ってるクラスのムードメーカーの優真くんが間に入って来た。
「なに?お前ら付き合ってんの?」
「え!?付き合ってないよ!!」
私が否定すると優真くんは
「そうなん?
仲良いから付き合ってんのかと思った!」
と私たちをちゃかした。
「お前こそ3組の子とどうなんだよ!」
晃の声がけんちゃんの隣から聞こえてきて「あっちで詳しく聞かせろよ!」と優真くんを連れて行った。
―付き合ってる…?
頭の中で何回も優真くんの声がリピートされた。全くそんなつもりはなかったのに周りからそんな目で見られてた事が急に恥ずかしくなって、その後はけんちゃんと何も話せないまま打ち上げは終わった。
お店を出ると当然外はすっかり暗くなっていた。みんなそれぞれ手を振って帰って行く中由香が私に話しかけた。
「凛、誰かお迎え来るの?」
「いや、来ないけど…由香は?」
「私光樹が迎えに来てくれるの。もう近くまで来てるって!」
「そうなんだー…」
私がそう言うと由香はけんちゃんの所に走って行ってけんちゃんを引っ張って来た。
「凛、1人で帰るんだって!暗いし危ないから健太送ってあげてくれない?」
「え!?由香!!」
私が断ろうとするのを聞かずに由香は「じゃーね!」と帰って行った。
「帰ろっか。」
けんちゃんの声に私は頷いてけんちゃんの少し後ろを歩いた。
・・・。
「お前さぁ…」
「は、はいっ!!」
突然けんちゃんが振り向いて話しかけたから変な返事になった。
「『はい』って!お前誰だよ!」
そう言ってけんちゃんは笑った。
「お前さぁ…
今日睫毛くるってしてるのなー。」
「へ…変かな?」
「変!!」
「えー!?」
「うっそー!俺はいいと思うけど…さっきの仕返し!!」
そう言ってけんちゃんはニヤっと笑った。
「ひっどーい!!」
「最初にしたのお前だし!」
「そうだっけー!?」
気付けばいつも通りに話せてて家に着くまでの時間がいつもよりすごく短く感じた。
家に着くとけんちゃんは「じゃあな!」と言って走って帰って行った。