澪くんは私の事が知りたい
春独特の生ぬるい風が吹き、桜の花びらがハラハラと舞い落ちた。
校舎から少し離れた体育館横の中庭はいつもは地味な場所なのに桜により彩り鮮やかに演出されている。
そしてそこに男女二人が向き合う形で立っていた。
「それで聞きたいことって?」
軽くパーマをかけた髪が風で波立つのを
耳の辺りで抑えながら、まだかまだかと喋りだしそうにない彼をじっと見つめた。
「どうやって兄貴を落とした?」