澪くんは私の事が知りたい

隣の席の澪くん



「なんで俺のこと避けんの?」


「気にしないで」


「いやそこまで机離されると気にするんだけど」




頬杖(ほおづえ)をつきながらちくりと刺すような視線を送られる。
そして私は今のこの状況に納得出来ないでいた。
だって絶対可笑しいでしょ!澪くんと同じクラスなんて!
まさか偶然にも澪くんが私と同じ2年1組だったようで、澪くんは初めからこの事を知っていたのか教室で私と会ってもノーリアクションだった。
いやでも私はそこまでは納得出来たんだよ、けどさ席が隣同士って言うのはつくづく受け止めきれない話だと思わない?





「あんたが俺のこと避ける理由って後ろめたいことがある、とか?」





ちょっと!澪くん勘鋭すぎない!?いきなり怖いんだけど!





「そ、そんな事無いよ。ほら元彼の弟なんて気まづいじゃん?」





まあ元彼の弟ってのもそうだけど
似てるんだよなぁ蓮夜に。

澪くんの色素の薄い栗色の髪も、スラッとしているモデルのような体つきも、蓮夜の柔らかい感じの美貌とは反対に冷たさを感じさせる美貌なのに、どことなく似ている顔の雰囲気がいつも連夜を連想させる。

だからなのか蓮夜と澪くんを重ねてしまって、蓮夜に対しての罪悪感が澪くんを見る度に思い浮かんでさらに気まづい。


< 13 / 17 >

この作品をシェア

pagetop