澪くんは私の事が知りたい
「如月お前よく喋るなあ?」





と、教卓にいる担任の先生、井口先生、通称ぐっちぃが私に向けて言った。
ちなみにこのぐっちぃは生徒から評価が高く特にルックスがいい事から女子生徒からは大人気の先生。




「じゃ自己紹介は如月から始めるかー」




なんて無茶振りをしてくる先生。
う、嘘でしょ〜!?ここのクラスの子知らない人ばっかだし喋るなんて絶対無理無理!
2年連続担任だからか知らないけどぐっちぃ私に鬼畜すぎる!




「ほら、早くしろ」




仕方がなく私は恐る恐る腰を上げた。
なんで私なのさ、と隣にいる澪くんに目を向けたが、いつもの無愛想な表情なだけであって私が注意されたことに対して気にもとめてないよう。
うぅ、腹立つけどなんか憎めないんだよね…。
そして生徒からの注目を浴びる中私は覚悟して口を開いた。




「き、如月彩です。趣味は音楽鑑賞です…よろしくお願いします」





ペコリと頭を下げ椅子に座ると拍手の音がまばらに聞こえてきた。
き、緊張した〜〜!





「やべぇ彩ちゃん可愛い。彼氏いんのかな」


「切実に付き合いてぇけど高嶺の花すぎて恐れ入るわ」


「同じ女なのにこうも違うと泣きたくなる〜」


「ほんと美人だよねぇ」





私の容姿についてのことで周りが騒ぎ出してどういった表情で入ればいいのか分からなくなる。





「アイドルみたいだな」


「澪くんには負けるよ」





私が自己紹介した今でさえも澪くんの事でかっこいいやら付き合いたいだの、女の声が上がっているのだから。

今更になって思うけどこれ程人気なのになんで澪くんの事知らなかったんだろう。
いやまあこの学校の男の子に興味が無かった、ていうのが原因だろうけど。


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