猛獣御曹司にお嫁入り~私、今にも食べられてしまいそうです~
後を追って入室すると、小さな暗いオフィスだった。デスクが四つ。あとは壁中に棚。灯り取りの小窓がひとつあるだけで薄暗い。
「麻生さーん、奥さーん、いるかー?」
明るい声で呼ぶと、奥から六十代と思しき男女が出てきた。三実さんの言葉通りならご夫妻なのだろう。ご主人はワイシャツにネクタイ、奥様はこの会社の女子の制服らしき服を着ている。
「おや、社長。こちらが若奥様?」
麻生さんという男性が気楽に話しかけてくる。
「可愛らしいお嬢様ねえ」
奥さんもにこやかに私の顔を覗き込む。
「人員補充、俺の奥さんを使ってくれ」
私はぎょっとして彼の顔を見あげた。このご夫婦のお手伝いが私の仕事?
三実さんは私の顔を見つめ、にこやかに言った。
「幾子、麻生夫妻は長年金剛グループに勤めてくれた人たちなんだ。今は俺の会社の備品倉庫管理をやってくれている。ご夫婦の仕事を手伝ってやってくれ」
なんか思ってた仕事とだいぶ違う……。でも、何もやることがない日々と比べたら……。
「はい、頑張ります」
「若奥様が来られる日だけでいいわよ」
奥さんが優しく言い、ちょっと拍子抜けする。そんな緩い感じで本当にいいのかしら。
かくして私はお嫁入り三日目にして、再就職することとなった。
「麻生さーん、奥さーん、いるかー?」
明るい声で呼ぶと、奥から六十代と思しき男女が出てきた。三実さんの言葉通りならご夫妻なのだろう。ご主人はワイシャツにネクタイ、奥様はこの会社の女子の制服らしき服を着ている。
「おや、社長。こちらが若奥様?」
麻生さんという男性が気楽に話しかけてくる。
「可愛らしいお嬢様ねえ」
奥さんもにこやかに私の顔を覗き込む。
「人員補充、俺の奥さんを使ってくれ」
私はぎょっとして彼の顔を見あげた。このご夫婦のお手伝いが私の仕事?
三実さんは私の顔を見つめ、にこやかに言った。
「幾子、麻生夫妻は長年金剛グループに勤めてくれた人たちなんだ。今は俺の会社の備品倉庫管理をやってくれている。ご夫婦の仕事を手伝ってやってくれ」
なんか思ってた仕事とだいぶ違う……。でも、何もやることがない日々と比べたら……。
「はい、頑張ります」
「若奥様が来られる日だけでいいわよ」
奥さんが優しく言い、ちょっと拍子抜けする。そんな緩い感じで本当にいいのかしら。
かくして私はお嫁入り三日目にして、再就職することとなった。