私たちは魔法使い!
魔法学校の敷地内にある、暗闇に包まれた魔法図書館を歩き回る。魔法を使って、魔法学校に来たのは良いんだけど、エミリアたちの居場所なんか分からない。
「……これだ」
魔導書を開き、私は叫ぶ。指定した人の元へと使用者を導いてくれる魔法だ。
「この魔法、上級魔法だけど……」
ドロシーが、魔導書を覗き込んで呟く。
「……私が魔法を使う」
私は、魔導書を元の場所に戻して立ち上がり、呪文を唱えた。急に景色が変わり、私たちは屋上に着く。
……うまく使えた……!!
「おや、予想よりも早く来た……」
オズワルドは、ニコニコと私たちを見ていた。オズワルドの近くには、エミリアとセシリアが拘束された状態でいる。
「……約束は約束です。彼女らは、お返ししますよ。私は、あなた方を気に入りました。また、どこかでお会いしましょう」
オズワルドは空高く飛び上がると、どこかへと消えていく。
空に輝く月の光が、私たちだけを照らしていた。
私たちがイタリアに来て数日。今日は、家でのんびりとティータイム。やっぱり、紅茶は美味しいなぁ……。
「皆!」
リビングに、レイラさんはお菓子を乗せたお盆を運んでくる。イタリア発祥のティラミスだ。