きっとシンデレラじゃない
「今日、会社をクビになってしまって、途方に暮れてたんだ。カッコ悪いでしょ?」

地面を見ながらゆっくり話し出した。

「まじめに頑張ってたんだけどね、僕も50歳だし新しい仕事をするにも不安しかなくてね。」

言葉に出したら、涙が出てきてしまった。

「ごめん、おじさんがこんな話しして、それに無いてしまって…」

ゴシゴシと袖で涙を拭っていると、ふわりといい匂いに包まれた。

『カッコ悪くなんかないですよ。』

え、僕。今抱きしめられてる?

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