極上パイロットが愛妻にご所望です
憧れの人の不可解な行動
――ピピピピピ……。
床に置いてある目覚まし時計が起床時間を知らせる。その音で私、水樹砂羽の意識が浮上した。だが、目覚まし時計をセットした時間は早朝三時四十五分。
私の瞼はなかなか開かない。
「ん―っ、起きなきゃ……」
しだいに大きくなっていく機械音。これ以上けたたましく鳴って、近所迷惑にならないように、目を閉じたまま上体を起こし、床に足をつけた。
うっすら開けた目で数歩進んで、鳴り続ける目覚まし時計を止める。
ベッドのそばのサイドテーブルに目覚まし時計を置いて、無意識に止めてしまうのを防止するために床の上に置いてあり、今まで寝坊の失敗はない。けれど――。
「う~ん……まだ眠い……」
もう一度ベッドにダイブしたい誘惑に駆られる。しかし、そうはいかない。仕事が待っている。遅刻をすれば、同僚に迷惑がかかるのだ。
私は開口一番、「はあー」と声を漏らし、洗面所へ向かう。
バシャバシャと若干荒く顔を洗うと、ようやく頭が起床モードになり、急いで出勤の支度を始める。
手早く、けれど手抜きをしたように見えず、かつ華やかなメイクを施していく。続いて胸の位置ほどにある髪をまとめ、ピンを使って手早く夜会巻きにしていった。出勤時、この髪型は毎回のことで、この職業に就いてから四年目の私は慣れたもの。
床に置いてある目覚まし時計が起床時間を知らせる。その音で私、水樹砂羽の意識が浮上した。だが、目覚まし時計をセットした時間は早朝三時四十五分。
私の瞼はなかなか開かない。
「ん―っ、起きなきゃ……」
しだいに大きくなっていく機械音。これ以上けたたましく鳴って、近所迷惑にならないように、目を閉じたまま上体を起こし、床に足をつけた。
うっすら開けた目で数歩進んで、鳴り続ける目覚まし時計を止める。
ベッドのそばのサイドテーブルに目覚まし時計を置いて、無意識に止めてしまうのを防止するために床の上に置いてあり、今まで寝坊の失敗はない。けれど――。
「う~ん……まだ眠い……」
もう一度ベッドにダイブしたい誘惑に駆られる。しかし、そうはいかない。仕事が待っている。遅刻をすれば、同僚に迷惑がかかるのだ。
私は開口一番、「はあー」と声を漏らし、洗面所へ向かう。
バシャバシャと若干荒く顔を洗うと、ようやく頭が起床モードになり、急いで出勤の支度を始める。
手早く、けれど手抜きをしたように見えず、かつ華やかなメイクを施していく。続いて胸の位置ほどにある髪をまとめ、ピンを使って手早く夜会巻きにしていった。出勤時、この髪型は毎回のことで、この職業に就いてから四年目の私は慣れたもの。