極上パイロットが愛妻にご所望です
何度も角度を変えるキスを交わして離れた朝陽の唇にリップの赤がついていた。ということは、私の唇に塗ったリップがとれてしまったということ。
私は小さな悲鳴を上げた。
「あっ!」
慌ててバッグからポーチを出して、さらに中に入っている小さな手鏡を手にする。
「どうした?」
朝陽にはピンとこないみたいだ。
「はい」
クスクス笑いたくなるのを堪え、彼へ手鏡を向けてみせる。
「はあ~」
朝陽から呆れた声が上がる。
「すっかり忘れてた。砂羽にキスしないでいられないんだから、仕方ないか」
フッと笑い、車のグローブボックスを開けてティッシュを手にする朝陽だった。
私は急いでメイクを直し、名残惜しそうに朝陽を見つめる。
「いってきます」
「ああ。いってらっしゃい」
なかなか朝陽から離れられない。この時間は身を切られるような感覚にいつもなるのだ。
私はドアの取っ手に手をかけて開けると、外へ出た。
朝陽に会って愛されているのだと実感でき、今日の私は調子がいい。現金な私だ。
次の休みに、ふたりで温泉へ出かけられる。そのことを考えると、楽しみで顔がにやけてくる。
隣にいる比呂に「なにかいいことあったんでしょう」とからかわれてしまう私だった。けれど、心の中はハンナさんの忠告の言葉が渦巻いていて、どうしたらいいのかわからなかった。
朝陽や彼の家族に危害……本当にそんなことできるの……?
私は小さな悲鳴を上げた。
「あっ!」
慌ててバッグからポーチを出して、さらに中に入っている小さな手鏡を手にする。
「どうした?」
朝陽にはピンとこないみたいだ。
「はい」
クスクス笑いたくなるのを堪え、彼へ手鏡を向けてみせる。
「はあ~」
朝陽から呆れた声が上がる。
「すっかり忘れてた。砂羽にキスしないでいられないんだから、仕方ないか」
フッと笑い、車のグローブボックスを開けてティッシュを手にする朝陽だった。
私は急いでメイクを直し、名残惜しそうに朝陽を見つめる。
「いってきます」
「ああ。いってらっしゃい」
なかなか朝陽から離れられない。この時間は身を切られるような感覚にいつもなるのだ。
私はドアの取っ手に手をかけて開けると、外へ出た。
朝陽に会って愛されているのだと実感でき、今日の私は調子がいい。現金な私だ。
次の休みに、ふたりで温泉へ出かけられる。そのことを考えると、楽しみで顔がにやけてくる。
隣にいる比呂に「なにかいいことあったんでしょう」とからかわれてしまう私だった。けれど、心の中はハンナさんの忠告の言葉が渦巻いていて、どうしたらいいのかわからなかった。
朝陽や彼の家族に危害……本当にそんなことできるの……?