極上パイロットが愛妻にご所望です
私は昨日朝陽と座ったベンチに比呂を連れていく。
十月になった空は高くて、今日も雲がひとつない真っ青で気持ちがいい。気分がいいと、さらに気持ちよさが増す。
並んで腰をかけた比呂は、促すように私の顔をジッと見つめる。
「どこから話せばいいのか……。朝陽とは最初、久美の結婚式の披露宴で席が隣同士になったの。そのときに、付き合おうって言われて。彼は私が交際できるような人ではなかったから、困惑したんだけど……」
「食堂で砂羽の顔を見つめていたのは覚えているわ。砂羽にひと目惚れしたんじゃない?」
比呂はあのときの様子を思い出したように、アーモンド形の目を細めた。
「彼が見ていたのは理由があって。私が十七年前にここの展望デッキで出会った女の子かを確かめたの」
「え? 十七年前? そんな前に砂羽は桜宮機長と出会っていたの?」
「それは昨日、彼から聞いてわかったんだけど、お互いが存在を気に留めていたというか……私はカッコいいお兄さんが初恋で、朝陽はここで会った私にまた会えたらいいなと思っていたみたい」
話していて恥ずかしくなって、自虐的に笑う私だ。
十月になった空は高くて、今日も雲がひとつない真っ青で気持ちがいい。気分がいいと、さらに気持ちよさが増す。
並んで腰をかけた比呂は、促すように私の顔をジッと見つめる。
「どこから話せばいいのか……。朝陽とは最初、久美の結婚式の披露宴で席が隣同士になったの。そのときに、付き合おうって言われて。彼は私が交際できるような人ではなかったから、困惑したんだけど……」
「食堂で砂羽の顔を見つめていたのは覚えているわ。砂羽にひと目惚れしたんじゃない?」
比呂はあのときの様子を思い出したように、アーモンド形の目を細めた。
「彼が見ていたのは理由があって。私が十七年前にここの展望デッキで出会った女の子かを確かめたの」
「え? 十七年前? そんな前に砂羽は桜宮機長と出会っていたの?」
「それは昨日、彼から聞いてわかったんだけど、お互いが存在を気に留めていたというか……私はカッコいいお兄さんが初恋で、朝陽はここで会った私にまた会えたらいいなと思っていたみたい」
話していて恥ずかしくなって、自虐的に笑う私だ。