極上パイロットが愛妻にご所望です
勤務表を確認すると、明後日の土曜が休み。それを過ぎればだんだん忙しくなって、足が遠のいてしまいそう。
私は明後日に江戸川区にある実家へ行くことに決めた。
出社して更衣室で着替えていると、ブラウンのコートを着た比呂が姿を見せる。
「ううっ、寒い~。あ! 砂羽! おかえり~」
比呂は制服の上着を羽織った私に足早に近づき、ギュッと抱きつくと離れて大きな目でジッと見つめる。
「ただいま」
「砂羽ったら、幸せオーラ全開じゃないっ。どうだった? オーロラは見られたの?」
比呂は私から数個離れた自分のロッカーを開けながら聞いてくる。
「最終日にようやく見られたの。ここ最近では規模の大きなオーロラだったみたい。すごかったわ」
「それはラッキーじゃない! しかも隣には桜宮機長がいたんでしょ? なんてうらやましいいいの! 妬んじゃう」
コートを脱ぎ、テキパキと制服に着替える比呂は笑いながら口も動かす。
私はロッカーのドアにある鏡で首元を映し、首に赤で縁取られた水色のスカーフを巻きながら話す。
「比呂だって、真木さんとベトナム旅行に行ったでしょ。私もうらやましかったわよ」
彼女は九月の下旬に航空整備士の岡本さんとふたりでベトナム旅行をしていた。その頃、私にはなにも予定がなかったから、うらやましかった。
私は明後日に江戸川区にある実家へ行くことに決めた。
出社して更衣室で着替えていると、ブラウンのコートを着た比呂が姿を見せる。
「ううっ、寒い~。あ! 砂羽! おかえり~」
比呂は制服の上着を羽織った私に足早に近づき、ギュッと抱きつくと離れて大きな目でジッと見つめる。
「ただいま」
「砂羽ったら、幸せオーラ全開じゃないっ。どうだった? オーロラは見られたの?」
比呂は私から数個離れた自分のロッカーを開けながら聞いてくる。
「最終日にようやく見られたの。ここ最近では規模の大きなオーロラだったみたい。すごかったわ」
「それはラッキーじゃない! しかも隣には桜宮機長がいたんでしょ? なんてうらやましいいいの! 妬んじゃう」
コートを脱ぎ、テキパキと制服に着替える比呂は笑いながら口も動かす。
私はロッカーのドアにある鏡で首元を映し、首に赤で縁取られた水色のスカーフを巻きながら話す。
「比呂だって、真木さんとベトナム旅行に行ったでしょ。私もうらやましかったわよ」
彼女は九月の下旬に航空整備士の岡本さんとふたりでベトナム旅行をしていた。その頃、私にはなにも予定がなかったから、うらやましかった。