極上パイロットが愛妻にご所望です
「友莉子、そうじゃなくて……付き合ってと言われたの」

『なんだ! 危うく悪い男に格下げするところだったわ。で、もちろん付き合うのよね?』

「……悩んでるの」

 突として、友莉子の『ええええーっ!!』と、悲鳴が耳をつんざく。

「友莉子、耳痛いよ」

『ごめん、ごめん。どうして悩むの? 彼氏いないんだから即OKしなさいよ。もったいない』

「彼は私なんかが付き合えるような人じゃないの。今日だってCAたちが目の色を変えていたの、見てない?」

『そんなの気にすることないって! 恋愛は周りに気を使ってするものでもないし。自分たちの気持ちが一番じゃないの? また、いい子ちゃんの砂羽が出てるよ』

 友莉子に指摘されて、周りの様子を窺ってしまう私自身にフッと苦笑いを浮かべる。

 その後も、桜宮さんと交際するべきだとさんざん説得された後、通話が終わった。

 周りを窺う、いい子ちゃんの私か……。

 友莉子の話を考えながら、眠りに落ちた。


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