WhiteSnowPrincess
「今、彼女は死んだ。」

そう自分に言い聞かせるようにメロウは呟きました。が、実際に銃弾が当たったのは、1本の大きな木の幹。

メロウはびっくりして固まっている白雪姫をゆっくり抱きしめ、優しく囁きました。

「いいかい?よく聞いて。森の奥へ逃げるんだ。君の命が狙われている。」

「え…?」

「俺は君の名を知っている。君の名は…白雪姫だ。」

「し…しらゆき…ひ、め?」

「そう、白雪姫。」

「私、白雪姫?」

「うん。」

メロウが微笑むと、白雪姫はまたぶるっと震え、ハッと目を見開きました。

「私は…白雪姫。」
< 19 / 88 >

この作品をシェア

pagetop