WhiteSnowPrincess
「だぁー!ボクは男なのにーっ!!」

その頃、城を追い出された鏡はワンピースをひるがえし、森をがむしゃらに走っていました。

「何でボクにワンピースを着させたんですか!しかも何かライバル心持ってたし!女王様のばかぁあぁぁぁー!」

そして気が済んだのか、走るのを止め、立ち止まりました。すると、

「黒髪にワンピース…。お前、白雪姫だな?」

突如聞こえた男の声。気付くと鏡は山賊に囲まれていました。

鎌やナイフ、ロープを握り締めた男達は、じりじりと鏡との距離を縮めていきます。
鏡は呆れたと言わんばかりに肩を落とし、力なくため息を吐きました。

「はぁ…。だからボクは白雪姫どうこうの前に男なのにぃ…。」

しかし、鏡の言葉は山賊達には聞こえていないようです。

「ぐへへ…わりぃな、嬢ちゃん。賞金がかかっているからにゃあ、手加減しねぇぜ。」

鏡はキリッと山賊達を睨み、姿勢を低く構えました。

「お構い無く。ボクも手加減しませんから。」

「生意気な小娘がーっ!!!!」










          ――…ガッ
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