WhiteSnowPrincess
「…よし。」

白雪姫は扉をぐっと押すと、重く鈍い音が辺りに響きました。

――ギギギギギ…

「ルイ…ス?」

ひょこっと部屋を覗き込んだときでした。

「罠だ白雪姫!逃げろ!」

ただならぬルイスの叫び声。

「え?」

しかし、その警告は遅すぎました。

「…かはっ!」

白い手がどこからか伸びてき、白雪姫の首を絞め始めたのです。

「白雪姫!!」

ルイスの悲痛な叫びが聞こえたと同時に、夢で聞いた女性の声。

「はじめまして白雪姫。私はこの国の女王よ。」

「ぐっ…あっ…じょ、おう!」

白雪姫は羽で白い手を払い除けましたが、手は次々と襲ってきます。

「い、いやぁ!」

白雪姫が手を前に出したときでした。

――ビュオオオ…!

手から吹雪が吹き出しました。

「嘘!力が…戻ってる?」
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