WhiteSnowPrincess
「あっ…。」

――パサァ…

すべてが落着したその時。白雪姫を覆っていた真っ白い翼が役目を終えたというかのように、無数の羽を地面に広がらせ、白いじゅうたんを作り上げました。

「…!白雪姫、翼が!」

心配するルイスを背に、白雪姫は明るく返します。

「うん。…力、消えたみたい。」

翼が消えた白雪姫を見て、ルイスは安心しました。このまま、天へ帰ってしまうのかと思っていたからです。

「…そういえば、白雪姫は堕天使なんでしょ?なんであの白い赤ん坊みたいなのにならなかったんだろう?」

ルイスはふと、疑問を口にしました。

「あの天使達はね、罰を拒絶したんだよ。」

「罰?」

「うん。人として生き抜くという罰をね。あっちでは人はかなり嫌われてるから。争いを好むし、欲望の塊だし。」

「……。」

ルイスはショックで言葉が出ませんでした。

「でもね、そんな人ばかりじゃないことを…私は知っているから。」

「ルイス王子〜!!」

そこに、大臣が飛び込んできました。

「やはり心配できちゃいましたよ。まったく、私は何故入場禁止なんだか…って、ありゃ?」

そして、大臣はやっと部屋の異常に気付き、顔を青くしました。
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