あなたのその声で…
「ありがとうございますっ!」


2人は意気揚々とその【計画】とやらを説明しだした。


(あ~あ、この人たちだって、頭下げるのなんか苦でもないんだろうな・・。)

あたしは相当ひねくれながら、2人の説明を聞く。


「まずは、あなたから彼女に連絡をとってください。日曜日たまたま出社する予定ができたので、鍵がないとご不便でしょうから、会社へ訪問してくれませんか?と。当日はコイツもココに待機させます。あなたは、通常通り彼女とやりとりしていただければ結構です。当然『確保』は外で行いますし、ココでのやりとりは全てコイツがメールで外部に連絡します。」


「もし、彼女が日曜日都合が悪かったら・・・?」


「そのときは・・・・また考え直します。」


ズコっ。

ずいぶん荒削りな【計画】だなぁ。


あたしは正直不安になった。


「あの、あたし逆恨みとか絶対イヤですから!そういうの大丈夫なんですよね?!」


「絶対に大丈夫です!安心してください!」

めずらしく若手がしゃべった。



ハスキーな声でそう言われると、(大丈夫か♡ )なんて現金にも思ってしまう自分が恨めしい。



「・・・わかりました。とにかく彼女との連絡とらないことには進まないでしょうから、後ほど電話してみます。」


「連絡とれ次第、コイツの携帯に電話ください。」



2人はそう言って、最後にまた深々と頭を下げて帰っていった・・・・・。



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