あなたのその声で…
彼女とのやり取りを終えて、みんながいる個室に戻った。
「ちょっと~ずいぶん長い電話だったんじゃない?もしかしてコレか?」
友達が親指を立てながらあたしをからかう。
「あたしはもう、恋愛はしないんですっ!残念でした!」
そのコに反論したあたしのセリフを聞いて、一瞬その場にいた全員がシュンとなった。
あたしはあわてて「次、どこになったの?カラオケ~?」と酔っ払ったフリをした。
最後に彼氏がいたのは、もう1年も前のこと。
同い年の彼とは、もともと地元がおんなじで、成人式の日に再会した。
中学の頃は全然意識しなかったコだけれど、20歳になった彼はすっかりたくましくなっていて、あたしは、一目見た瞬間に『恋』に落ちた。
その当時、彼には付き合っている彼女がいたのだけれど、あたしが必死に口説いて付き合えることになったのだ。
最初の1年は順調だった。
周りもうらやましがるほどのラブラブぶりで、あたしはできれば彼と結婚したとまで思っていた。
けれど、『付き合った記念日』が2回目を迎える直前、あたしがたまたま友達と飲みにでかけた居酒屋で、彼と遭遇してしまったのだ。
隣には、別の女性がいた。
あたしと付き合う前に付き合っていたコ。
一度、彼が留守の時に部屋を掃除していて、偶然写真を見てしまってから、その顔は1度も忘れることがなかった・・・そのコと一緒に、いた。
あたしは頭に血が上って、気が付けば居酒屋の真ん中で彼を泣きながらビンタしていた。
結局彼とは、一度そこでダメになった-----。
久しぶりに思い出したくない思い出が蘇り、あたしはいてもたってもいられなくなって、会計している友達を置いて外に出た。
もうすぐ梅雨に入ろうとしていた夜のジメジメとした空気が一瞬であたしの全身を纏う。
(そうだ。刑事さんに電話しなくちゃ。)
時計を見ると、9時半は過ぎようとしているところ。
(遅くなってもいいって言ってたしな。)
久しぶりに彼を思い出してしまったせいか、それともお酒のせいなのか、あたしは自然に携帯を開いていた。
「ちょっと~ずいぶん長い電話だったんじゃない?もしかしてコレか?」
友達が親指を立てながらあたしをからかう。
「あたしはもう、恋愛はしないんですっ!残念でした!」
そのコに反論したあたしのセリフを聞いて、一瞬その場にいた全員がシュンとなった。
あたしはあわてて「次、どこになったの?カラオケ~?」と酔っ払ったフリをした。
最後に彼氏がいたのは、もう1年も前のこと。
同い年の彼とは、もともと地元がおんなじで、成人式の日に再会した。
中学の頃は全然意識しなかったコだけれど、20歳になった彼はすっかりたくましくなっていて、あたしは、一目見た瞬間に『恋』に落ちた。
その当時、彼には付き合っている彼女がいたのだけれど、あたしが必死に口説いて付き合えることになったのだ。
最初の1年は順調だった。
周りもうらやましがるほどのラブラブぶりで、あたしはできれば彼と結婚したとまで思っていた。
けれど、『付き合った記念日』が2回目を迎える直前、あたしがたまたま友達と飲みにでかけた居酒屋で、彼と遭遇してしまったのだ。
隣には、別の女性がいた。
あたしと付き合う前に付き合っていたコ。
一度、彼が留守の時に部屋を掃除していて、偶然写真を見てしまってから、その顔は1度も忘れることがなかった・・・そのコと一緒に、いた。
あたしは頭に血が上って、気が付けば居酒屋の真ん中で彼を泣きながらビンタしていた。
結局彼とは、一度そこでダメになった-----。
久しぶりに思い出したくない思い出が蘇り、あたしはいてもたってもいられなくなって、会計している友達を置いて外に出た。
もうすぐ梅雨に入ろうとしていた夜のジメジメとした空気が一瞬であたしの全身を纏う。
(そうだ。刑事さんに電話しなくちゃ。)
時計を見ると、9時半は過ぎようとしているところ。
(遅くなってもいいって言ってたしな。)
久しぶりに彼を思い出してしまったせいか、それともお酒のせいなのか、あたしは自然に携帯を開いていた。