あなたのその声で…
過去
次の日の土曜日は有給をとっていた。


なんとなく、日曜日のことがあったから、休みをとったのだ。

幸い今はそんなに忙しい時期じゃない。


いつもより少し遅い時間に起きたあたしは、窓を開けた。


梅雨を控えたこの日は、どんよりと曇っていたけれど、なんだか、久しぶりの平日の休みだったから、あたしは思いっきり掃除しようと、昨日の夜から考えていた。




違う・・。本当は、夕べ刑事さんに送ってもらってから、あまり眠れなかった。



あたしは、本当はもう、『恋』なんてしちゃいけないんだ。




1年前のあの恋を終わらせた時、犯してしまった罪があるから・・。



あたしだけが幸せになるなんて、絶対望んじゃいけない・・・。



なのに、なんで出会ったばかりの刑事さんのことを考えて、胸がドキドキしてしまうんだろう・・・。



そう考え出したら、いてもたってもいられなくなって、『明日思いっきり掃除をする』という目標を見つけることで、無理やり考えを終わらせたんだ。






「さてっ!」



パジャマから、ジーンズとTシャツというラフな格好に着替えたあたしは、わざと勢いをつけて掃除機を取り出した。






たった1部屋しかないあたしの部屋に、ムキになって掃除機をかける。



普段から、そんなに汚くしているわけじゃないので、あっという間に終わってしまった。



手持ちぶさたになったあたしは、今度はキャビネットを整理し始めた。



雑誌とか、年賀状の束とか、いろんなものがごちゃごちゃと入っていたので、とりあえずすべてを外に出す。



すると1冊の手帳が出て来た。







「あ・・・・-----。」
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