あなたのその声で…
彼が元カノと一緒にいるところに遭遇してしまったあと、一度”別れる”ことになったあと、あたしはすっかり食事をとることが出来なくなってしまった。
日に日に痩せていく。
友達が見るに見かねて、彼に連絡を入れた。
すっかり仕事も行けなくなってしまって、自宅でボンヤリしていたとき-----。
チャイムが鳴った。
ガチャリ。
ドアを開けると、もう2度と会うことが出来ないと思っていた、あたしの愛しい愛しい人。
顔を見た瞬間、ボロボロボロボロ涙が溢れて、あたしはそこに立っていることが出来なくなった。
「とにかく部屋に入れ。」
あたしの部屋の前を通った2つとなりの部屋の人が、玄関でペタリと座り込むあたしと、それをただ黙ってみていることしか出来なかった彼を、訝しげに見ていたから。