あなたのその声で…
それから、また昔のように、彼との幸せな時間が過ぎた。




そして、あの日から1ヶ月が経った頃・・・・


生理がきていないことに気が付いたんだ・・・。





普段、生理は遅れずにきちんとくるほうだったから、すぐに気づいた。



あたしは、あの夜の彼の言葉を思い出す。



『子供、作ろうか・・・。』



きっと喜んでくれる。


これからあたしは彼と、赤ちゃんと3人で生活していくんだ・・。


あたしは、生まれて初めて、”自分”という存在よりも大切に想えるものを手にした喜びに浸っていた。




病院に行き、先生から言われた”おめでたです。”という言葉。


きっと一生忘れない。








彼は仕事の時間だったけれど、あたしは構わず電話した。




「赤ちゃん、できたよ。」



「え・・・・?」


予想外の、彼の反応。





「とりあえず、今仕事だから、夜電話する。」



そう言って切られた電話にも、その時のあたしは不安を抱かなかった。



それぐらい、あたしは、幸せに、溺れていたんだ・・・・・。
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