あなたのその声で…
そこに「おめでとう」の言葉がないのが、今更ながら悲しかった。



「性別って、もう分かるんですか?」



思わず聞いてしまう。


「聞きたいの?」



先生は淡々と処置をしながら、無表情に言う。



「いえ・・・・・いいです・・。」




力無く答えた。



今更、性別を聞いてしまえば、余計辛くなることは、容易に想像できたので、あたしはそれ以上聞かなかった。






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