あなたのその声で…
会社のビルに着き、裏口で鍵を受け取ったあたしは、いつものように事務所へ入った。


空調をつけて、音楽をかける。


ここまでは、いつもと変わらない朝。



ただ一つ違うのは・・・・



「失礼します。」



5分ほど遅れて、若手刑事さんが入ってきた。



「自分、ここにいますんで、打ち合わせ通り、お願いします。」



刑事さんはあたしの席の後方にあるパーテーションの影を指して言った。


「わかりました。」



あたしも徐々に緊張してきた。


”彼女”との約束は10時。


約束の時間まで、あと、30分-------。
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