あなたのその声で…
「おじゃまします。」


店頭に２人の男性が入ってきた。

カウンターに座っていたあたしは、立ち上がってお辞儀をする。

「いらっしゃいませ。」

頭を上げたあたしの目の前には【警察手帳】が提示されていた。



「あ・・・。」

考え事をしていて、突然の訪問だったため、うまくリアクションが出来なかった。

自分が悪いことをした訳でもないのに、どうして警察と話をするときは緊張するのだろう。

刑事２人が目の前に座った。



「この方についたお聞きしたいのですが・・。」

刑事二人組みは、年配のいかにもベテランといったおじ様と、年齢的には、３０ちょっと過ぎくらい。最近よくテレビで見かける、いつも【イケ面お笑いタレント】のような類のランキングで上位に入っている芸人によく似た２人で構成されていた。

年配の方が、重ねて口を開く。

「まずは、賃貸契約書を拝見できますか？」

この人たちには、『個人情報』などは、言っても意味がないことを知っていたので、あたしは、逆らうことなくそれを見せた。


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