あなたのその声で…
ふと、枕元のデジタル時計を見ると、時間はAM5:00をまわったところ。



会社のメンバーが、いつものごとく仕事終わりで飲んで、ふざけて電話でもよこしたのだろうか?



「だ、れ・・・?」




あたしは、ガサゴソとカバンから携帯を取り出す。




表示されていた番号は――――2ヶ月前に【逮捕】されたはずの―――――”彼女”だった―――。








頭が軽くパニックになる。







「な、ん・・・で―――?」






あたしは通話ボタンを押すことができなかったーーー。





しばらく、その存在をあたしに押し付けた携帯電話は、やがて鳴り止んだけれど、5分もしないうちにまた騒ぎはじめる。


それを3回繰り返されたところで、あたしは、我慢の限界を感じて通話ボタンを押した。


「もし、もし・・・?」


「お久しぶりね。元気だった?南国でバカンスしてるんですって?」




「・・・・っ・・!」




なんでそれを彼女が知ってるんだろう・・・。

あたしが旅行に来ていることは、会社にも言っていない。


背中に、一筋の汗が、垂れた・・・。





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