屍病
「……イーターと戦うだけでも厳しいのに、そんなヤバい不良まで。私達って運が良いのか悪いのかわからないよね」


真倫ちゃんはそう言うけれど、こんな事態に陥ることが、運の悪さを表していると思う。


果たしてこれを、運という言葉だけで片付けていい物かどうかはわからないけど。


「そ、それより、この子達はどうしたの?」


赤ん坊を抱いたまま、ちょこんと椅子に腰掛けている男の子。


どこかで助けたのだろうと言うことはわかるけど、詳しく話を聞いていないし名前もわからない。


「ん? ああ、コンビニで弁当を回収してきてさ、ついでにホームセンターで武器になるような物も探そうと思って歩いてたんだよ。そしたらこいつがイーターから逃げててな」


それで、助けて学校に戻る頃には、他のイーターも引き連れて来たのか。


イーターひとりくらいなら、真倫ちゃんが持ってるバットでどうにか出来たかもしれないから、その時点でイーターは何人もいたんだろうな。


「こいつじゃない! 僕は大河。岬大河(みさきたいが)だ!」


まだ小さいのに、あんな怖い思いをしたのに、この子は強いな。


「ごめんね大河くん。私は愛莉だよ。よろしくね」
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