屍病
「それにしても眠いな。今何時なんだ? 時計が止まってるからさっぱりわからねぇよ」
あの時から、時計が時間を刻むのを止めた。
外は真っ暗で、今が何時なのかということさえ、私達にはわからない。
「眠くなったら寝ておいた方が良いだろうな。朝になったら起きる……なんて、こうも暗いと出来ないから」
「そうだぞ桐山。眠くなったら寝るんだぞ」
雄大に続き、大河くんが桐山に言った。
「お子様のお前だけにはえらそうに言われたくねぇよ。それに祐也さんだっつってんだろうが!」
「僕はまだ眠くないぞ! 桐山の方がお子様だ!」
「俺は食糧の調達で疲れたんですー! 助けてもらったのになんだその態度は!」
……頭の程度は同じくらいかな。
そんなやり取りがしばらく続いて、私は高下が使っていた血塗れの包丁を見た。
高下。
ふたりきりになって、お互いに言いたいことを言って。
いじめられたことが消えるわけじゃないけど、やっと面と向かって話せるようになった。
なのに、それも少しの時間で。
あっという間に高下は死んでしまった。
こんな世界で苦しみながら生きるより、死んだ方が楽なのかな……なんて。
また、自殺をしようとした時と同じ考えになっていた。
あの時から、時計が時間を刻むのを止めた。
外は真っ暗で、今が何時なのかということさえ、私達にはわからない。
「眠くなったら寝ておいた方が良いだろうな。朝になったら起きる……なんて、こうも暗いと出来ないから」
「そうだぞ桐山。眠くなったら寝るんだぞ」
雄大に続き、大河くんが桐山に言った。
「お子様のお前だけにはえらそうに言われたくねぇよ。それに祐也さんだっつってんだろうが!」
「僕はまだ眠くないぞ! 桐山の方がお子様だ!」
「俺は食糧の調達で疲れたんですー! 助けてもらったのになんだその態度は!」
……頭の程度は同じくらいかな。
そんなやり取りがしばらく続いて、私は高下が使っていた血塗れの包丁を見た。
高下。
ふたりきりになって、お互いに言いたいことを言って。
いじめられたことが消えるわけじゃないけど、やっと面と向かって話せるようになった。
なのに、それも少しの時間で。
あっという間に高下は死んでしまった。
こんな世界で苦しみながら生きるより、死んだ方が楽なのかな……なんて。
また、自殺をしようとした時と同じ考えになっていた。