屍病
その後、取ってきたお弁当を食べて、トイレを済ませた後、カーペットが貼られている音楽室の床に寝転んだ。


教室の床と比べると、少しは寝心地が良かったけど、いつになったら布団で眠れるのかな。


「……愛莉、起きてる?」


背中合わせで横になっている真倫ちゃんが、小さくそう呟いた。


「起きてるよ。どうしたの?」


「うん。私さ、外に出てわかったんだ。もしかしたら、どれだけ待ってもこの世界は変わらないかもしれないって」


突然の不安な言葉に、私は身体を動かして真倫ちゃんの方を向いた。


「私達が……子供が全員食べられるまで、ずっと続くってこと?」


そうすると、真倫ちゃんも私の方を向いて。


「そうだね。子供が全員食べられても、この世界はずっと続いて行くのかもしれないし。なんて、そんなのわかんないのにね。何言ってんだろ、私」


難しい話はよく分からない。


あの地震以降、大人達が全員イーターに変わってしまった。


だから私達は「変化」したのだと思っていたけど。


もしも、子供全員が、違う世界に「移動」したのだとしたら……。


でも、そんなことが有り得るのかな?


私にはわからないよ。


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