屍病
私から離れ、音楽室の方に向かって歩き始めた山中と風雪。


「や、山中!? くそっ!」


「人を呼び捨てにしてんじゃねぇぞ! メシはどうした! 早く用意しろ!」


これじゃ、どっちが年上だかわからない。


腹が減ったとわめいて、暴れて。


年下の私達に食事の準備をさせるなんて。


この騒ぎでさすがに目を覚ましたのか、真倫ちゃんや桐山も音楽室から出て来た。


「い、いや! メシはあるんすよ! まだ残ってますから! 大丈夫、大丈夫っす!」


「バカ! 桐山!」


山中に恐怖したのか、顔を見るなり桐山が食べ物が残っていることを喋ってしまった。


「だったら早く出せやコラ!」


「てかさ、私達に黙って食べ物を独占とか、感じ悪くない?」


山中も風雪も、自分勝手な言い分を述べる。


「え? てか、愛莉!?」


階段の前の廊下で倒れている私に気付いたのか、愛莉が慌てて私に駆け寄る。


「ああ? あの女か? あいつは俺達に嫌がらせをしやがったからな。制裁だ制裁」


そんな言葉を無視して、真倫ちゃんが心配そうに私の身体を起こしてくれた。


「だ、大丈夫? 何されたの!?」
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