屍病
そのまま動きを止めて、驚いたような表情へと徐々に変わっていった。


「ち、ちくしょう……ここまでしたのにあんまりだぜ」


犬の真似事までして、欲しかった唐揚げ弁当を捨てられた桐山は、悔しそうに拳を床に打ち付けた。


「待って、桐山くん。何か……様子がおかしい」


山中が、外を見たまま動かない。


もしかしてと思い、お腹に手を当てたまま窓へと近付いた。


「そんなとこに突っ立って何してんのよ竜也。もしかして本当は唐揚げ食べたかったとか?」


そんな風雪の声を聞きながら、窓から階下を覗き込んだ私は……その理解不能な光景に思わず声を漏らしてしまった。


「え、えっ!? な、なんで!?」


暗闇の中にある外灯の光……それが生徒玄関前の光景だったはずなのに、なぜかぼんやりとした光が広範囲に地面を照らしていたのだ。


そして、その光に集まり始めているイーター達。


すでに、20を超える数のイーター達が校舎を見上げていて……私にはどうしてこうなったかが理解出来なかった。


「ど、どうした芹川。一体何が……うっ! な、何だこの数は! どうしてこんな数のイーターが……それに、この光は……」

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