屍病
雄大が、何とかこの状況を理解しようとしている。


私達はイーターに見付からないように、電気を付けるのを控えて来た。


それなのに、どうしてこんな光が。


「もしかして、あなた達が点けたんじゃないんですか? 俺達が点けたくても控えて来た電気を」


振り返って、山中と風雪を交互に睨み付けた雄大。


だけど、こんな状況だと言うのに、風雪は悪びれた様子もなく。


「はぁ? あんた達を探してたからだっての。暗かったら探せないでしょ? 電気を点けたからって何なの? 別にあんたが電気代を払ってるわけじゃないから良くない?」


笑いながらそう言って見せたのだ。


この人達……根本的にイーターの恐ろしさをわかっていない。


自分の行動が、自分以外の人の命を奪う可能性があるというのに。


「そういう問題じゃないよね! あんた達の行動が、あんた達を苦しめるなら自業自得だけど、私達にまで迷惑がかかってるんだよ! ここが安全な場所じゃなくなったら、私達はどこに行けばいいんだよ! わかんないのか!? あんた達のせいでイーターが集まってるんだよ!」


外のイーターを気にしてか、それほど大きくもないけれど強い口調で風雪に詰め寄る。


「はぁ!? 知らねぇし! ここはお前らの家かよ! 違うなら誰がいたってよくね!?」
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