屍病
「あ、あんた達! あんた達が竜也を殺したんだ! 竜也は何もしてないのに! 人殺し! ぜってー許さないからな!」


竜也を目の前で失った風雪の叫び声が痛い。


「な、何っ!? も、元はと言えば、あんたらが無茶な要求をしてきたからだろ! 俺達は助け合ってきたんだ! それを俺達を奴隷みたいに使おうと思ってたからだろ!」


責任を負いたくないというのがヒシヒシと伝わってくる桐山の言葉。


そんなの私も、出来ることなら死の責任を負いたくないけど。


山中が、殺されなければならないほどのことをしたのか……と言われると、また悩んでしまう。


私達を助けずに、イーターを全滅させてから学校に入ってきて……校長室で休んでいた。


その後はお弁当を取られて、余った物を捨てられて。


無意味に点けた照明のせいで、イーター達が集まってきてしまった。


桐山以外、暴力を受けて、その桐山も犬の真似事をさせられた……か。


私達の生活を脅かして、イーターに今、この瞬間も襲われようとしている状況に陥らせたのが竜也だ。


だけど……だから死んで当然かと言われたら、素直に「はい」とは言えないかもしれない。
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