屍病
「ま、待て! もしも、山中が死んだことが俺達の責任だと言うなら、罰は受けよう。だがそれは後でだ。今はこの状況を乗り切らなければ、全員食われて終わってしまう」


「お前らなんか、全員食われて死んでしまえ!」


雄大の言葉に、風雪が半狂乱で反論する。


「俺達が食われるということは、あんたも食われるということだ。見ただろう? あの凄惨な光景を。やつらに食われるというのは綺麗な死じゃない。苦しみながら身体を引き裂かれ、食われて死ぬということなんだ」


竜也の最期を思い出したのか、風雪は口に手を当てて俯いた。


勝手な言い方かも知らないけど、今は誰の責任とか言っている場合ではない。


山中と風雪が招いたこの危機を、どう脱するかが一番の問題だった。


「で、でも、どうするの? 今から電気を消しに行く? まだイーター達は校舎の中には入ってないみたいだし……」


「誰もいないはずの学校に電気が点いて、イーター達が集まってきたんだ。今、電気を消したところで解散。というわけにはいかないだろうな」


そうだ、イーターは、元々大人が変化したもので、考える力はあるんだ。


電気が点いてて不自然と思って集まったのに、今消えてしまえば、少なくとも校舎の中に人がいると教えてしまうことになる。
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