屍病
そうだ……私達が行っていた祭りは、本来あの日ではなく一日前に行われる物だと言っていた。


だから神様が怒って大人達をイーターに?


「だったら……あの祭りはどの神様に捧げられてたんだろう。神事は、どの神様に……」


「はぁ? こんな時に祭りの話か? まあ、あの時地震が起きて、こんな風になっちまったんだけどさ」


桐山が首を傾げながら、頭を搔いてそう答えた。


「あの祭りは、本当はあの日にやる祭りじゃなかった。だから神様が怒ってこうなったって言ったよね?」


「芹川、今はそんなことを考えてる場合じゃない。話したいなら移動しながら聞くから、早く行こう」


確かに、今、こんな話をしても、イーターに食い殺されたら意味がない。


私達は再び移動を開始し、桐山と二階で分かれて私と雄大は一階へ。


廊下に飛び出してみると、真っ暗でどの教室も電気が点いてはいなかったのだ。


「良かった……一階は暗いままだ。だとすると二階か……もしも一階の電気が点いていたらと思うとゾッとするな」


確かに、一階の電気が点いていたら、とっくにイーターの侵入を許していただろうな。


「とりあえず、一階は大丈夫にしても、確認はしておこう。窓が割られていないか、イーターが侵入していないかの確認を」
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