屍病
雄大の提案を受けて、私達は身を隠しながら教室内の窓を確認することに。


割れていたら危険信号。


そっとドアを開けて、中を確認するけど……とりあえず1年2組の教室は無事のようで、1組へと身を屈めながら移動した。


「イーター達、思ったよりも頭が良くないみたいだな。普通、人がいるかもしれないと思ったら、中に入ろうとするだろ? でも、二階の電気が点いているのはわかっても、入って来ようとしていない」


「だからって、ゾンビみたいに食欲だけがあるってわけでもないでしょ? ちゃんと喋るし、何なら料理だってする。個体差があるのかな」


「それか……時間の経過に伴って、どんどん人間らしさがなくなっているのかもしれないな。それこそ、ゾンビになって行くみたいにさ」


言われてみれば、生徒玄関で殺したイーターは、同じことばかり言っていたような気がする。


どんどん人間らしさがなくなっている……か。


「それより、さっき何を考えていたんだ? 世界が変わってしまった原因か? 神事を一日遅らせただけで怒るなんて、気の短い神様だ」


「うん。それだよ。神様は目に見えないけど……あの神社には目に見える神様がいる」
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