屍病
冷静になって考えると、荒唐無稽というか。


神岩様の怒りで大人達がイーターに変わったなんて、ありえない話だなと思う。


「はぁ!? たった一日遅れただけで怒るとか、神様ってどんだけ気が短いのよ。それに、神様の気まぐれでこんなことになってるとか、バカバカしくて笑えるんだけど」


うぅ……わかってはいるけど、実際にそう言われると、そんなことを考えた私が恥ずかしい。


「そんなことがあるはずがない……なんて言えるか? だったら、どうして大人がイーターなんて化け物になったんだ。それこそ、普通の考えではありえないことだと思うが」


「うん……そうだよね。元々私達は、祭りが一日遅れたからこうなったって考えてたんだから、神岩様が関係してるって話は考えるべきだった。こうなったのは誰のせいとか、そういう話しかしてなかったね」


雄大も真倫ちゃんも、風雪とは違って肯定的だ。


それだけでも、私は救われたような気がする。


「何にせよ、この状況をどうにかしなければ、神岩様まで行くことも出来な……」


と、雄大がそこまで言った時、私の背後にあるドアから、ドンッという激しい音が聞こえた。


その直後、ピキッと、普通とは違う音も聞こえた。
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