屍病
「い、今の音は……まさか、このドアでも防ぐことが出来ないのか!?」


慌てて立ち上がり、こちらに駆け出す雄大。


さっきとは違い、ドアの揺れが大きくなった気がする。


ドアを留めている金具が破壊されたのかと思うくらいに。


「ど、どうするの!? このままじゃ、イーター達が中に入ってくるよ!」


「どうするって言ったって! ドアを押さえて凌ぐしかないだろ!」


慌ててドアを押さえた雄大。


皆で押さえても、人数でこちらの方が不利だ。


ドアを破られるのも時間の問題。


それでも、押さえなければその時はもっと早く訪れるかもしれないと、真倫ちゃんの方を見た。


だけど真倫ちゃんは、山中が落ちたのとは逆側の窓を見詰めていた。


「ま、真倫ちゃん!」


「ま、待って……今、そこから何か音がしたような」


首を傾げて、窓を指さした。


「ここは三階だぞ! そんな音がするわけ……」


と、雄大が首を横に振った時だった。









コツッ。










確かに……窓に何かが当たったような音が聞こえた。


「やっぱり。ちょっと見てくる!」


そう言い、真倫ちゃんは窓の方に駆け出した。
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