屍病
「わぷっ! こ、このっ!」
その手が、探るように雄大の顔に当てられ、掴もうとしているように撫で回す。
慌てて包丁を振り上げて、イーターの手を斬り付ける。
すると驚いたように手を引っ込めて、ドアにはぽっかりと穴が空いてしまったのがわかった。
「な、なんだよ! このドアって金属なのは枠だけ!?」
「そ、そうみたいだな。これは……本当にまずいぞ」
イーターも木製とはいえ、ドアを破壊するのに相当無茶をしたのだろう。
顔を撫でられて、血がべっとりと付着した雄大は、それを拭いながら包丁を穴に押し込んだ。
こうしておけば、次にイーターが手を突っ込んだ時に、包丁に刺さる。
それを避けられるほど大きな穴ではないから、トラップになる。
だけどそれも、穴が今の大きさのままだった場合だ。
こちらからでは、どこまでドアの外側が削られているかわからない。
もしかすると、私の背中のドアは、一度引っ掛けば崩れてしまうかもしれないくらい薄くなっている可能性があるのだから。
それを示すかのように、背中に感じる揺れが大きくなっている。
まるで背中を撫でられているかのように、ドアが蠢いていた。
その手が、探るように雄大の顔に当てられ、掴もうとしているように撫で回す。
慌てて包丁を振り上げて、イーターの手を斬り付ける。
すると驚いたように手を引っ込めて、ドアにはぽっかりと穴が空いてしまったのがわかった。
「な、なんだよ! このドアって金属なのは枠だけ!?」
「そ、そうみたいだな。これは……本当にまずいぞ」
イーターも木製とはいえ、ドアを破壊するのに相当無茶をしたのだろう。
顔を撫でられて、血がべっとりと付着した雄大は、それを拭いながら包丁を穴に押し込んだ。
こうしておけば、次にイーターが手を突っ込んだ時に、包丁に刺さる。
それを避けられるほど大きな穴ではないから、トラップになる。
だけどそれも、穴が今の大きさのままだった場合だ。
こちらからでは、どこまでドアの外側が削られているかわからない。
もしかすると、私の背中のドアは、一度引っ掛けば崩れてしまうかもしれないくらい薄くなっている可能性があるのだから。
それを示すかのように、背中に感じる揺れが大きくなっている。
まるで背中を撫でられているかのように、ドアが蠢いていた。