屍病
それが可能かどうか。


「とりあえず、ドアがどんな感じか見てみようよ。本当に一匹ずつやれるのかどうかさ。ほら、あんたも手伝ってよ! 机を押さえてくれるだけでいいんだから」


真倫ちゃんが風雪を呼ぶと、風雪は不満そうにブツブツ呟きながらやって来た。


「はいはい、これでいいんでしょ。一体何をするつもりなんだか」


文句を言いながらも、座って机を押さえている私の上の机を押す。


「一番上の机を取ってみる。しっかり押えててよ?」


ドアがどれくらい削られているのかを確認するのだろう。


一匹ずつ……か。


こんな時、高下がいてくれれば、なんの躊躇もなく殺してくれるんだろうけど。


真倫ちゃんがそう言った後に、一番上の机が外された。


と、同時に、その部分が破られ、イーターの顔が室内に入ったのだ。


「ひ、ひいっ!」


突如目の前に現れたイーターの顔に驚き、風雪が声を上げる。


今にも腰が抜けそうなくらいに、目の前で膝が震えているのがわかる。


「ウヒョひョ! 皆オヒしそ……あ」


口に何かを含んだまま、顔を出したイーターが喋る。


そして、その口に含んでいた物が飛び出したのか、私の頭で跳ねて……脚の間に、丸くて白い物……人間の目が、転がり落ちたのだ。
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