屍病
……あれ?
イーターが顔を出さないどころか、背中に感じる衝撃もないような。
いや、よく思い出してみたら、いつからそれを感じなくなっていたかがわからない。
「……って、来ない。何がどうなってるの?」
包丁を構えていた真倫ちゃんが、不思議そうに首を傾げて穴に顔を寄せた。
「ま、真倫ちゃん!? 危ないよ!」
相手は知能があるイーター。
もしもこれが罠で、誰かが廊下を確認した時に襲い掛かってきたら……と、考えたけれど、それもなくて。
「どうした、山瀬。廊下の状況はどうだ?」
「え? ああ……イーターがいないんだけど。どうなってるのこれ?」
イーターがいない?
私が見たわけじゃないから、それが本当かどうかわからないけど、もしもそうならこれほど嬉しいことはない。
「そんなバカな。あれほど群がっていたイーターが、あっさりと諦めたとでも言うのか!?」
「いや、本当なんだって! 見てみなよ!」
そう言い、真倫ちゃんと交代して雄大が穴を覗く。
「ほ、本当だ……いなくなってる。芹川も見てみろ」
「え? う、うん」
雄大に促され、立ち上がった私は、ドアに空いた穴から廊下の方を見た。
イーターが顔を出さないどころか、背中に感じる衝撃もないような。
いや、よく思い出してみたら、いつからそれを感じなくなっていたかがわからない。
「……って、来ない。何がどうなってるの?」
包丁を構えていた真倫ちゃんが、不思議そうに首を傾げて穴に顔を寄せた。
「ま、真倫ちゃん!? 危ないよ!」
相手は知能があるイーター。
もしもこれが罠で、誰かが廊下を確認した時に襲い掛かってきたら……と、考えたけれど、それもなくて。
「どうした、山瀬。廊下の状況はどうだ?」
「え? ああ……イーターがいないんだけど。どうなってるのこれ?」
イーターがいない?
私が見たわけじゃないから、それが本当かどうかわからないけど、もしもそうならこれほど嬉しいことはない。
「そんなバカな。あれほど群がっていたイーターが、あっさりと諦めたとでも言うのか!?」
「いや、本当なんだって! 見てみなよ!」
そう言い、真倫ちゃんと交代して雄大が穴を覗く。
「ほ、本当だ……いなくなってる。芹川も見てみろ」
「え? う、うん」
雄大に促され、立ち上がった私は、ドアに空いた穴から廊下の方を見た。