屍病
この町を出る……か。
電車が動いてなくて、外にはイーター。
移動の手段がない私達にとって、その考えはなかったな。
いや、あったかもしれないけど、イーターに食べられる恐怖と、もしも世界中がこんな状態になっていたらという不安で、動けなかっただけかもしれない。
「どうやって町を出るんだよ。竜也のバイクはキーがないし、兄貴の車だってこの前当て逃げされて修理中なんだろ?」
あ、そうか。
春瑠さんは19歳って言ってたから、運転免許持ってるんだ。
でも、車は修理中か。
「ぐっ……み、未来さんは車を持ってないんですか?」
「ごめんなさい。免許は取ったんですけど、まだ車がないんですよ」
車がないとなると、やっぱり歩いてになるのかな。
大河くんもいるし、あまり長距離を歩くのは厳しいと思うけど。
「まあ、それくらいどうにかなるんじゃねーの? なかったら適当に盗めば良いんだよ」
桐山が言うように、民家の車庫に車はあるけど、キーはきっと家の中にあるから、それを取るだけでも危険が生じる。
探している最中に襲われる……なんて、ありそうな話だ。
「移動手段は後で考えようか。とりあえず今は、神岩様のところに向かおう」
電車が動いてなくて、外にはイーター。
移動の手段がない私達にとって、その考えはなかったな。
いや、あったかもしれないけど、イーターに食べられる恐怖と、もしも世界中がこんな状態になっていたらという不安で、動けなかっただけかもしれない。
「どうやって町を出るんだよ。竜也のバイクはキーがないし、兄貴の車だってこの前当て逃げされて修理中なんだろ?」
あ、そうか。
春瑠さんは19歳って言ってたから、運転免許持ってるんだ。
でも、車は修理中か。
「ぐっ……み、未来さんは車を持ってないんですか?」
「ごめんなさい。免許は取ったんですけど、まだ車がないんですよ」
車がないとなると、やっぱり歩いてになるのかな。
大河くんもいるし、あまり長距離を歩くのは厳しいと思うけど。
「まあ、それくらいどうにかなるんじゃねーの? なかったら適当に盗めば良いんだよ」
桐山が言うように、民家の車庫に車はあるけど、キーはきっと家の中にあるから、それを取るだけでも危険が生じる。
探している最中に襲われる……なんて、ありそうな話だ。
「移動手段は後で考えようか。とりあえず今は、神岩様のところに向かおう」