屍病
「イーターがいるな。このまま真っ直ぐ行けば見付かってしまう」


屋台の影に隠れて様子を窺うけれど、どうもあの場所から動きそうにない。


「神岩様は、神社の横の道から行けるはずだよ。ほら、祭りの日に愛莉が泣いてた場所」


石を投げられて、真倫ちゃんに慰めてもらってた場所のことかな?


確かにあの道は、神社の裏の方へと続いていたけど。


そうか、あの道が神岩様へと繋がってたんだ。


神社の中からしか行ったことがなかったから、わからなかったよ。


「だったら、その道から行こう。危険はできるだけ避けた方が良いに決まってる」


春瑠さんが立ち上がり、私達もそれに続く。


あの道に行くには、まず民家が密集している路地を通らなければならない。


神社から逃げる時は、イーターに襲われなくて済んだけど……今はどうなのだろう。


不安になりながらも、細い道を歩く。


気のせいか、神社に近付くにつれて息苦しくなるというか……胸が苦しい。


「ね、ねぇ。なんだか苦しくない? 私だけだったりする?」


そう真倫ちゃんに尋ねてみても、首を傾げるだけ。


となると、神岩様まで行って、何もなかったらどうしようと不安になっているだけなのかな。
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