屍病
カチッ。
カチッ。
乾いた音が部屋にこだまする。
「アれ? もう弾がナクなっタノカな?」
ニタニタと笑いながら、何度も引き金を引くイーター。
「う、うおおおおおおっ!! よくも桐山くんをっ!」
目の前で、イーターに覆い被さるようにして倒れた桐山。
そこに、残りの銃弾4発全て撃ち込まれたのを目の当たりにして、春瑠さんが怒りの声を上げた。
「ま、イッか。肉! イタダき……ばヒュっ!!」
銃から手を離し、口を大きく開けたイーターの頭部に、ハンマーを叩き付けた春瑠さん。
イーターの口が勢いよく閉じられ、鋭利な牙は音を立てて折れて。
目玉は飛び出し、大きくハンマーによって大きく陥没した穴からは、血が吹き出した。
力なく床に倒れ込むイーター。
だけど、春瑠さんの手は休まらなかった。
「このっ! このっ! このっ! よくも、よくも! 殺してやる! 殺してやるぞ!」
何度も何度も、ハンマーを打ち付けては振り上げ、打ち付けては振り上げて。
春瑠さんが手を止めた時には、飛び散った血と脳を全身に浴びていた。
「桐山くん……すまない。僕がもう一匹のイーターに気付いていれば」
振り返り、動かなくなった桐山の前で膝をついて、春瑠さんは手で自分の顔を覆った。