屍病
お言葉に甘えて、私達は買い物カゴに入っていた食べ物を物色する。


そして、それぞれ食べたいものを取って、椅子に座った。


「……ねえ、皆にひとつ聞いていい?」


お弁当を食べている途中、未来さんが箸を止めて私達に尋ねた。


「なんですか? まあ、こんな状況だから察しはつきますけど」


真倫ちゃんは食べ続けながら、未来さんに答えた。


「うん……皆はこれからどうしたい? この町からの脱出も不可能。残された道は、脅威を排除して安全を確保するか、それともひっそりと隠れて生きるか。どちらにしても食糧の問題は出てくるわね」


食糧か。


今食べているお弁当も、まだ腐っていないだけで、いつ腐るかもわからないんだよね。


既に腐り始めてる可能性だってあるわけだし。


イーターやクリーチャーを全滅させたところで、私達に待っているのは死なのかもしれない。


「そういう難しい問題はわかんないよ。私なんてさ、ただ毎日適当に学校行って、面白おかしく生きられればいいって考えてたから、これからどうやって生きるとか……考えたこともなかったな」


それは風雪だけじゃないと思う。


私だって、一度は死のうとしたけど、結局は流されるままに生きているだけだったから。
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