屍病
「ど、どういうこと。私達は寝てただけなのに、どうしてこんなにイーターが」


見付からないように、そっと窓の外を覗いた未来さんが、理解出来ないといった様子で尋ねる。


「ほ、ほら。車の周りにいっぱい群がってる。私達が移動してる時、もしかしたら後を追ってきてたのかもしれない」


「今の町を走っているイーター達はいなかった。くそっ! 町から逃げられると思って、そんなことまで警戒はしていなかった!」


そう考えると、前にイーター達が集まった時も、二階の電気が点いていたからだとばかり思っていたけど、もしかすると山中と風雪が乗っていたバイクの後を追ってこられたという可能性もあるのかな。


これだけ集まっていても、まだ学校に入って来る様子はない。


あの時も、私と雄大が一階の教室を見て、目が合ったから一斉にガラスを割られたわけで……いや、違う。


理科室から入って来たイーターは、私達がいないところで勝手に入って来た。


目を合わさなければ大丈夫とか、そんなことは絶対にない。


「ど、どうするんだよこれ。この数、拳銃があっても勝ち目なんてないぞ!?」


「ドアもボロボロだしね。こいつらが一斉に攻めてきたら、あんなドア、一瞬で破壊されちゃうよ」


風雪も真倫ちゃんも、ここにいては死ぬだけだということを、理解しているようだった。
< 224 / 238 >

この作品をシェア

pagetop