屍病
「に、逃げるにしても、一体どこに! いや、この数のイーターから、逃げられるのか!?」


「ここに集まってるイーターを倒すことも出来ないのに……この町のイーターを全員殺すなんて考えていたの、私達は。こんなの……無理じゃない!」


春瑠さんに未来さんまで。


感じるのは絶望。


どれだけ探しても、希望の一欠片すら見当たらなくて。


「に、逃げよう。もうここはダメだよ。どこに行けば良いかなんてわからないけど、とにかく逃げなきゃ!」


私が声を上げると、皆我に返ったように。


「そ、そうだ。ここにいても殺されるだけだ。逃げなきゃ殺される!」


「わ、私は死にたくない! どこでもいい。どこでもいいから早く!」


慌てた様子で武器を手に取り、逃げる準備を始めた春瑠さんと風雪。


だけど、窓の外を見ていた未来さんが驚いた声を上げたのだ。


「あ、あれは! クリーチャー!?」


その声に、思わず窓の外を見ると、川沿いに一際不気味な怪物。


イーターの群れに、クリーチャーまで。


「ク、クリーチャーまで!? い、いや……待てよ? クリーチャーはイーターも食べる! そうだろう!?」
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