屍病
「ひ、ひいっ!!」


大河くんを助けられなかった罪悪感が、その姿を見た瞬間に一気に湧き上がって。


私の心を押し潰そうとする。







「お姉チャぁぁぁん、オ姉ちゃァァァン。痛いヨ。苦しイヨ」






「ごめんなさいごめんなさい! 許して大河くん!」


とても見ていられず、私は耳を塞いでその場に屈み、お経のように何度も何度もそう唱えた。


「し、しっかりしろ! あれが大河くんなものか! 大河くんが、愛莉ちゃんを恨んで死んで行ったと思うのか!? 愛莉ちゃんのせいじゃない! 自分で言っていたことだろ!」


バシッと、春瑠さんに背中を叩かれて我に返った。


人に偉そうに言っておいて、私は大河くんが死んだのを自分のせいにしていた。


よく見て……あれは、大河くんなんかじゃない!


もう、ギリギリの精神状態。


罪悪感に押し潰されるか、立て直すかという微妙なラインで、私は何とか立ち上がって、クリーチャーを見た。


瞬間。








「あア。ソコに、イルんだネ? 見付ケた!!」








クリーチャーの肩の、大河くんの顔が不気味に笑って、そう言ったのが聞こえたのだ。
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