屍病
屍病
「真倫……ちゃん」
「……真倫ちゃん? 真倫ちゃんというのは、娘さんのお友達ですかな?」
「い、いえ……そんな子は学校にはいないはずです」
「そうですか。ですが今は、インターネットでも知り合うことが出来ますからね。もしかすると、そっちの方の友達かもしれませんね」
声が……聞こえる。
私は一体、どうなったのだろう。
イーターに追い詰められて、真倫ちゃんと一緒に屋上から飛び降りて……それで。
「愛莉……どうして自殺なんて……」
この声、もしかしてママ?
大人達は皆イーターになったのに、ママの声が聞こえるよ。
自殺か。
だって仕方ないじゃない。
あのままだと、イーターに食べられてしまっていたんだから。
どっちにしても死ぬならと、真倫ちゃんと一緒に飛び降りたんだよ。
でも、ママは真倫ちゃんなんて知らないって言ってた。
おかしなことを言うよね。
だって、真倫ちゃんと私は昔から仲が良くて、家にも頻繁に遊びに来ていたじゃない。
目を開けようとしても開かない。
口も動かせない。
ママと話をしたいのに、まるで私が私じゃないようで。
身体が動かなかった。