屍病




『「オリョウ」は「怨霊」。この地の呪い。絶やすこと許されぬ。子孫が絶える忌まわしき呪い。永遠に続く、逃れられない呪い』





突然、頭の中に鳴り響くように聞こえた、神岩様の前で神主さんが言った言葉。


この言葉が、私の意思とは関係なく身体を揺らし始める。


「あ、愛莉! 愛莉ちゃん! い、一体どうしたの!? だ、誰か! 誰か!」


ママが慌てて部屋から出て行った。


私にだって何が起こったのかわからない。


まるで私の身体が、私のものではないように制御出来ないのだから。


でも、激しく身体が跳ねたからか、私の目はゆっくりと開いて。


白い天井が見えた。


「真……倫ちゃ……ん」


消えそうなほど小さい声だけど、確かに出すことが出来た。


隣にいない。


ずっと一緒にって、約束したのに。


悲しくなって、目から涙が零れ落ちた。


そっか……やっぱりあれは、私の夢だったのか。


なんだか、心にポッカリと穴が空いたような気がするよ。


でも、何もなかったんだね。


全ては……私が見ていた夢だったんだ。


そう考えて、ゆっくりと目を閉じた。
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