屍病
「じゃ、じゃあ何かよ。6月10日にやるはずだった祭りを、1日ずらしただけでこんな目に遭ってるのか俺達は! 誰だよ今日やろうなんて言い出したやつはよ!」


それが原因だとは言えないけれど、桐山が言ったことを誰もが思っているだろう。


そして、それを実行した人と言えば……。


「な、なに。なんで私を見てんのよ!」


皆、高下を見ていた。


「なんでって、葵ちゃんのおじいちゃんが今日にしたんでしょ? 葵ちゃん、言ってたわよね? 『平日より土曜日の方がいいからおじいちゃんが日をずらした』って」


「つまりあれかよ、こうなったのは高下のじいちゃんのせいかよ。マジふざけんじゃないぜ!」


茂手木も桐山も、こんなことが起こる前は高下にヘコヘコしていたのに。


いざ不測の事態が起こると、立場なんてすぐに変わるんだな。


「お、おじいちゃんがやったことで、私のせいじゃない! それに、祭りの日をずらしただけでこんなことになるなんて、わかるはずがないじゃない!」


確かに、この事態がお祭りの日をずらしたから起こったと考えるには、短絡的すぎるけど……おばあちゃんの話にはまだ続きがあった。
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